夫妻と子ども2人、夫の両親の6人家族で暮らす二世帯住宅のT邸は、広い縁側を持つ住まい。家の外と内をつなげる木製デッキと土間の空間は、道具の手入れや日曜大工、植木鉢の冬越しや保存食の管理など、納屋のような役割を果たす。気候の良い時期は開け放して夕べの涼風を楽しんだり、気軽な近所付き合いのコミュニティスペースに。最後まで悩んだ末に決めた素材感のある外壁の塗り壁は、南九州の広大なシラス台地から採取した、養分を持たない土を原料とした化学物質ゼロのシラス壁だ。職人の手仕事で丁寧に仕上げた豊かな表情が、サイディングでは得難い風格を建物にまとわせている。木組が推奨している南九州を産地とする100%自然素材の壁材で、T邸は室内の壁もシラス壁で仕上げられている。水回りや玄関を共有としたL字型の住宅プランで、1階は玄関正面から右側に水回りとLDK、左側に親世帯の居間と主寝室、2階はリビングからの吹き抜けを設けた多目的ホールと子世帯の寝室や子ども部屋で構成されている。
施主のTさんが木組を選んだ理由のひとつは良質な無垢材による住まいづくり。柱や梁など構造部材が見える真壁仕様の室内は、木の温かみとやわらかな香りが満ちている。真壁は将来の改修工事も容易であるシンプルさの反面、割れやねじれなどの動きが露呈するため、木材の質に仕上がりが左右される。木組が加盟する「夢ハウス」は、全国の工務店による共同仕入れグループで、特許取得の乾燥方法により、真壁にも適した良質な材料が安定的に手に入る。また、Tさんは素材と同様に、木組の標準仕様を高く評価している。多雪区域と同等に基礎を厚くし配筋を密にすることで、構造の強さはもちろん、基礎の立ち上がりがシンプルで済むため床下が広く使え、暖房やメンテナンスも楽に行える。T邸は基礎コンクリートの蓄熱性を利用した合理的な床下暖房。放熱によるおだやかな暖かさで、時代や家族の変化にあわせて熱源の入れ替えも可能。家族が代々住み継いでゆける、本物志向の新居が完成した。
敷地面積 339.66㎡(約102.74坪)
延床面積 199.56㎡(約60.36坪)
1階面積 128.18㎡(約39.07坪)
2階面積 70.38㎡(約21.29坪)