美しい庭に囲まれた平屋建ての住まい。ワンフロアに集約された生活空間は、多くの人の理想の形ではないだろうか。広い敷地と潤沢な建築予算がなければ、それは叶わぬことなのか。その問いに、このプランニングが答えてくれる。着想点は「家」が見つめる家族の時間だ。家族は夫婦から始まり、楽しい子育て期を経て子どもが巣立ち、また夫婦二人に戻っていく。家族構成で見ると、その家で過ごす時間は夫婦二人が一番長い。このプランは、平屋の生活動線を踏襲し、家族の最小単位である夫婦にとっての最高の住心地を追求した住まいだ。そしてそれは、1階に夫婦の寝室を用意しておくという、シンプルな一歩から始まる。それによって必要な生活空間はワンフロアに集約され、2階のレイアウトは柔軟になる。子どもができる前は主寝室が上階でもいいし、オープンスペースとして、いずれ個室にできる準備をしておくだけでもいい。そうして子どもが巣立った後の2階スペースは、実家の機能のための客間となり、趣味室や書斎として活用できる。
平屋暮らしの魅力は、物理的なワンフロアの利便性はもちろん、窓から庭の木々を眺める時間のような、心理的作用によるものが大きい。この「平屋暮らしが叶う木の家」では、ダイニングのスペースに大きな窓が設けられている。植栽が揺らす朝陽のもとに食卓を囲み、一日が始まることの価値は、身を置けば誰もが実感するところだ。しかし、住まいづくりでは数字で判断可能な価格や住宅性能に意識が向く一方で、選択時にプランニング力を問うことは少ない。プランの良し悪しは、日々の生活のストレスに直結する。人々が求める「後悔しない住まいづくり」とは、そうした小さなストレスが積み重ならない住まいのことだ。住む人の目線に立ち、後悔の要因となるものをどれだけ取り除けているか。また、住む人以上の目線で将来の備えに先回りできているか。性能やコストパフォーマンスを踏まえ、39坪で平屋的な暮らしが叶うこの木の家は、多くの人が持つ住まいへの潜在欲求を見据えた実力あるプランナーの知見が支えている。
敷地面積 238.76㎡(72.22坪)
延床面積 130.87㎡(39.57坪)
1階面積 79.49㎡(24.04坪)
2階面積 51.34㎡(15.53坪)