三浦建築設計が手がける住まいは、雪深い県南地域で冬の暖かさに定評がある。住宅性能に関心があった施主のSさんは、自社大工が手がける木工事や実績のある断熱施工に共感を覚え、同社に新築工事を依頼した。プランニングではLDKに続くテラスがあることが第一の要望。バーベキューや子どもたちと花火を楽しむテラスや家族みんなの共有空間であるLDKを広く取り、同時に上下階のすべての部屋に明るさが届くよう窓も多く取られている。LDKとフラットに続いたモダンな和室まわりは、特に客間としての使いやすさを優先した設計。まずは直接出入りができるよう、玄関正面に配置した。そして和室から洗面・トイレ・浴室へと一直線に廊下でつないでいる。これは県外出身の奥さんのご両親に気兼ねなく滞在してもらうための動線。LDKを通らずに出入りでき、娘の嫁ぎ先でも自分たちのペースで過ごしてもらうための配慮だ。玄関を入ってすぐの位置にあっても、Sさんも納得の住宅性能で寒さとは無縁だ。