「永久の未完成、これ完成である」とは有名な詩人の言葉。多くの住まいは引渡し時が完成であるが、このS邸は住みながら完成を目指すセルフビルドのための余白が残されている。存在感ある黒のガルバリウム鋼板の建物の前方はインナーガレージとなっており、その2階部分が自分たちで工事を進めるDIY空間。下地と給排水を配置した状態で引き渡され、そこからは造作の木工事や内装工事を施主自らが手がけて、友人達と集うためのホームバーが誕生する予定だ。趣味と実益を兼ねた、木工仕事を得意とするご主人のための提案だ。住居スペースは1階フロアをLDKや水回りのある共有空間、2階をそれぞれの個室としている。両フロアの面積を均等にした箱型の形状は建築の効率だけでなく強度にもプラスに働く。ここに吉兆ホームの標準仕様である高耐震・高耐久の構造用集成材とクレテック金物の接合のストロングフレーム工法が加わることで、耐震・耐久性に優れた構造を実現している。
目下、3歳と1歳の二人の子育て中で、共働きのSさん夫妻。新居のプランニングにあたり、優先したのは家事負担をできるだけ少なくする動線だ。子どもたちに目を配りながら料理や洗濯などが同時進行でき、無駄を最小限にしたコンパクトな配置が求められる。また、子育て期は子どもの成長に比例して、年々物が増えていく。この先の増加分も見込み、収納はわずかな隙間も生かして余裕を持って計画された。作業の手元を隠すキッチンカウンターは高さを生かした大容量のリビング収納となっており、リビングに散乱しがちな生活道具類をまとめて収納。小上がりの段差を利用した床下収納はおもちゃや紙おむつなどのストック類を納めるなど、物の置き場所を予め計画しておくことで、片付けが苦にならない住まいとなっている。
敷地面積 157.02㎡(47.50坪)
延床面積 156.22㎡(47.30坪)
1階面積 79.49㎡(24.00坪)
2階面積 76.73㎡(23.20坪)