デザインや素材、間取りなど、楽しくも悩ましい選択が続く住まいづくり。中でも快適の土台となるのが住宅性能のレベルの選定だ。高性能を謳う住宅メーカーに足を運び、良い点だけを強調する説明に辟易した施主のSさん。施工例の実測データを公開している池田建築店のWEBサイトを見つけ、見学会に参加した。「デメリットも説明してくれて、信用できると思いました。それに見かけた現場がとてもきれいに片付いていて。丁寧な仕事をする会社だと感じました」とご主人。完成した新居は期待通りの精度で、外気温が5度前後でも日差しがあれば暖房を止めても暖かい。建物の断熱性能はもちろん、日射取得のための窓の方角やサイズ、ガラスの種類などのノウハウも、長年取り組んできた同社の実績に裏付けられている。冬は陽射しの恩恵を受け、夏は外部ロールスクリーンで遮蔽。機械に頼らず、太陽の光という自然エネルギーを建物の設計で受動的に取り込んでいる。
木目の色合いや節の有無など、異なる表情を見せる秋田杉がいたるところに用いられた住空間。これは池田建築店の得意とするところでもあり、施主の要望でもあった。Sさんの職場は県の木材産業を支える木工技術の研究所。木の特性を知り尽くしている仕事柄、自邸にはぜひ杉を取り入れたいと願っていた。秋田杉の床は肌触りがやわらかく、足裏にほんのりとあたたかみを感じる。この人肌のような感触とともに、まだ小さな兄妹の思い出が育っていくのだ。より快適な環境のために、この住まいに施された同社の新たな取り組みがひとつ。高断熱高気密の環境は湿度が不足しがちだ。機械に頼らず改善するために、浴室に内窓を設け、入浴で生じた湿度を室内側に放出させるという、斬新かつシンプルなアイディアが試みられた。放出させた湿度は調湿タイルを一面に貼った廊下の壁が吸収し、空気が乾いた時に放出される。入浴は毎日のことなので、加湿器のように水を補給する手間もなく、健康に理想的な湿度が保たれている。
敷地面積 201.00㎡(60.80坪)
延床面積 134.15㎡(40.58坪)
1階面積 73.70㎡(22.29坪)
2階面積 60.45㎡(18.29坪)