この家の施主は50代のTさん夫妻。以前の住まいは駅前にあり、老朽化や雪の処理、日中でも照明に頼る暗さなど問題が多岐にわたり、思い切って畑にしていた広い土地へ移転した。子どもたちの子育て期にも建替えを検討したことがあったと話す奥さん。今回と見比べると、当時とは住まいへの要望が大きく異なっていることを改めて認識したそうだ。子どもたちが独立した今、夫婦が求めたのは趣味を満喫し、明るく暖かく暮らせる住まい。雪が深い横手の気候に配慮して、屋根の形状や外壁の仕様が決められた。冬の快適だけを注視しがちだが、この地域は盆地特有の気候で夏も猛暑が続く。「夏の風の流れや日差しの角度と通風を熟慮した窓の配置で、なるべく機械に頼らずに夏も自然の中で過ごせる環境づくりに力を入れました」と設計を担当した村岡さん。エアコンの風が嫌いな奥さんのために夏の快適も熟慮されたパッシブデザインが暮らしやすさをつくっている。
敷地面積404.63㎡(122.40坪)
延床面積215.48㎡(57.30坪)
1階床面積122.69㎡(43.11坪)
2階床面積92.79㎡(14.19坪)