耐久性の高いレッドシダーを鎧張りにした剛健な印象のエントランス。この意匠がA邸の個性を快弁に語る。厚い板張りの壁には30cmもの断熱材が施され、暑さ寒さと縁を切った快適な空間がその内側に存在している。以前は同敷地に建つ母方の実家に暮らしていた施主のAさん一家。老朽化から梅雨時期の湿気や冬の寒さに悩まされ、建替えを決めた。大手ハウスメーカーを一巡しても決め手がなく悩む中、住宅性能の向上に取り組む伊藤建友の高橋さんと出会う。熱を逃がさない構造は、昨今重要な家づくりの課題だが、高気密高断熱の建物であれば快適とは限らない。そこには気密の高い家だからこその換気への配慮や開口部のあり方、さらに安らげる空間デザインが不可欠となる。そのすべてに前向きな同社の姿勢に共感を持ち、地元ビルダーと取り組んだ成果がこの住まいだ。もうすぐ新居で二度目の夏を迎えるAさん一家。この一年で四季を通して快適なことを実感し、性能が新居で一番気に入っているところだと教えてくれた。
敷地面積357.93㎡(108.27坪)
延床面積122.12㎡(36.94坪)
1階面積89.61㎡(27.11坪)
2階面積32.51㎡(9.83坪)